ごあいさつ

2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す世界的な要請の中で,科学技術はこの難題にどのように立ち向かうべきなのか大きな課題を突き付けられています.このような中でも持続的な成長を成し遂げながら,明るい未来を構築していくことが今後の科学技術に求められる最大の課題と言えるでしょう.
このような社会を実現するためには、これまでの縦割りがなされてきた学問体系の中での研究開発では対応できません.すなわち,電気系、機械力学系、熱エネルギー系の異なるエネルギー変換工学体系を横断できる革新的な理論体系の確立が必須となります。我々の研究グループは、50年以上にわたり、異なる工学体系間においても、回路論を共通解析構造としてエネルギーシステム解析が統一化できることを世界に先駆けて提示してきました。
これまでは,この理論を適用するとともに,機器開発の基盤となる多くの基礎研究を通じて,ヒートポンプをはじめとする熱エネルギーシステムを具体的に開発し,機器として具現化してきました.今後は,脱炭素社会の実現に必要不可欠な「水素エネルギーサプライチェーン」,「地産地消エネルギー」,「再生可能エネルギー」をはじめとしたエネルギー供給網から需要側としての「住空間」,「生産技術」,「農食管理」にまでその適用範囲を拡大していきます.ここでも,基礎研究から,具体的なシステム開発までをも実施することによって,我々の研究グループから今後のエネルギー社会の在り方を世界に提示していきます.
2050年までには,あと30年間しかありません.まさに諸君が社会の中心なる時代です.明るい未来社会を作れるかどうかは皆さんの手にかかっています.
基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科
教 授 齋 藤 潔
最新情報
2024.10
2024.06
能代市は19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場と連携した「水素ラボ構想」の実現に向け、JAXA、秋田大、早稲田大とプロジェクトを発足しました。早稲田大学は熱エネルギーマネージメントなどのノウハウを提供します。
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2024.04
齋藤教授が能代市、JAXA、秋田大と水素研究開発拠点を形成します。記事内の「早稲田大」と表記されているのが齋藤研です。
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2024.04
齋藤教授は日本のヒートポンプ技術の第一人者として、この度、技術評論社から2030年代にヒートポンプ技術が目指す次世代の姿を明示した「次世代ヒートポンプ技術」を出版しました。この書籍を通じて、多くの方々にヒートポンプ技術を活用していかに次世代の環境・エネルギー社会を構築するかを理解されることが期待されています。
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2024.03
齋藤教授が協創技術フォーラム2024にて講演を行いました。
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2023.08
JETRO主催で開催される「Energy Transitions in ASEAN by utilizing “All Fuels and All Technologies” in ASEAN Energy Business Forum (AEBF)」に、早稲田大学 持続的環境エネルギー社会共創研究機構(SEES)が共催者として参加します。
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2023.07
齋藤教授が取り組んでいるカーボンニュートラル社会実現に向けた研究開発 「熱を含めたEMS構築とデジタルツインによる導入効果の見える化」に関する記事が紹介されました。
2023.05
齋藤教授が、第24代日本冷凍空調学会会長に就任いたしました。
2025年には、100周年を迎える長い歴史を持つ学会です。冷凍空調技術は、カーボンニュートラル実現になくてはならない高性能なヒートポンプ技術の一つです。機器の更なる高性能化,冷媒転換を早急に進めるとともに、この技術が創りうるカーボンニュートラル社会を共創し、該当分野の更なる発展のために全力を尽くします。
2023.05
第50回 令和4年度日本冷凍空調学会賞「学術賞」を受賞
2023.04
齋藤教授が,カーボンニュートラル研究におけるトップ研究者の一人としてPI選出されました.
Top-Level PI in the carbon neutrality ociety research field
早稲田大学は、カーボンニュートラルの実現を研究の柱と設定いたしました.
総合大学としての強みをいかして、文理の枠組みを超えた研究力を結集し、世界のSDGs達成に向けたカーボンニュートラルの実現を目指しています.
早稲田大学カーボンニュートラル社会研究教育センター
2023.01
齋藤研究室で開発した産業用ヒートポンプシミュレータがFocus NEDOで紹介されました.
簡単入力で導入効果を見える化!産業用ヒートポンプシミュレーター