研究・教育方針

研究方針

2050年の脱炭素社会の実現に向けては,これまでの縦割りされた学問体系内での研究開発では対応できません。電気系、機械力学系、熱エネルギー系の異なるエネルギー変換工学体系を横断できる革新的な理論体系の確立が必須となります。我々の研究グループは、50年以上にわたり、現象の論理と法則の構造を探求し、異なる工学体系間においても、強固な体系化がなされている回路論を共通解析構造としてシステム解析が統一化できること、流通量と位差量を共通量とすることにより、その積であるパワーが体系間のエネルギー変換における不変量として変換群を構成できることを世界に先駆けて提示してきました。

熱エネルギー系は多様に形態を変える熱と流動現象からなる極めて複雑な構造となるため、体系化が取り残されてきていましたが、我々の研究グループは、熱エネルギー系に対して流動エネルギーの伝搬構造を明示し、閉塞や気液分離による特異な流動現象を流通量の拘束条件として回路網構造に加えることで、回路網解析が実現できることをはじめて示しました。これにより、熱エネルギー系の解析体系が大きく進展し、機器開発にも直結できるようになり、その省エネ性から世界的に普及促進が進められているヒートポンプや再生可能エネルギー利用技術の開発に活用されています.

今後は,電気系,機械力学系,熱エネルギー系の連成を強化するとともに,AI,IoT,ITを技術を導入することにより,エネルギー変換工学に共通するデジタル化技術の確立にも取り組んでいきます.この活用を通じて未来社会の実現を可能とする「水素サプライチェーン」,「再生可能エネルギーを中心とした社会」,「ウイルスから人類を守ることができる安全な住空間」,「安全安心な食を提供できる食のサプライチェーン」等に必要不可欠な基礎研究から社会実装に至るまでの幅広い研究開発を展開していきます.

齋藤研究室における環境エネルギー技術の一貫研究体制

斎藤研究室は,西早稲田キャンパスに基礎研究を実施する研究室を設置しています.これに加えて,オープンイノベーション機構「数理エネルギー変換工学研究所」,総合研究機構「熱エネルギー変換工学・数学融合研究所」としても活動を進めています.これらは,そのホームページをご覧ください.これらの研究を展開するために,121号館では先端研究,喜久井町キャンパス41号館では環境エネルギー技術の総合評価を実施しています.また,学外においては,神戸市モノづくりセンターで水素に関する基礎研究,インドネシア大学では,東南アジアにおけるエネルギーシステム評価を進めています.

参考リンク

 

教育方針

軽井沢でのゼミ合宿

齋藤研究室には,国内外の多くの研究者が在籍し,大型の国プロをはじめとした多くのプロフェッショナルな研究活動を実施しています.研究室では,普通に英語が飛び交っており,学生の英語力のアップに貢献しています.このような研究者と研究活動を共にし,将来的には模範的で国際的に活躍できる研究者,技術者となりうる人材の育成を目指しています.具体的には,次のような活動を行っています.

毎週木曜日 9:00~12:00 研究進捗会議
5月 中間発表会
8月 軽井沢でのゼミ合宿
10月 中間発表会
1月 最終成果発表会
2月 卒論・修論発表会

これに加えて,多くの学生が国際会議や学会発表に参加します.また,国内外の多くの大学や研究機関との交流を進めています.例えば,世界5大学との共同セミナーを実施しています.

ドイツハンブルグ工科大学にて研究発表
ドイツハンブルグ工科大学にて研究発表

2022年 早稲田大学
2021年 上海交通大学
2020年 コロナ感染拡大により中止
2019年 高麗大学
2018年 ドイツハンブルグ工科大学
2017年 アメリカメリーランド大学